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突撃!YunBoのロボット体験記!

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レポート14

久しぶりの工場見学! HCIさんを訪問してものづくりの現場を見てきたよ!!

 
 みなさん!こんにちは!ずっと更新できなくてごめんなさい。年度が新しくなり、ユンボもお仕事が忙しくなったりしてなかなか新しい記事が書けませんでした。これからまた少しずつがんばりますのでよろしくお願いします!!ユンボのところへは後輩も来ないので相変わらず新人のまま、お届けいたします(笑)挨拶はこのくらいにして、本題いきますね!
 さて、今回は大阪府泉大津市の「株式会社HCI(エイチシーアイ)」さんを訪ねてきました。新大阪から地下鉄経由で南海電車に乗り、泉大津駅で降りて15分ほどで到着します。
 HCIさんは、もともとケーブルやワイヤー、チューブ等中心の設備機械メーカーさんとして、各種の機械装置や部品等を作って販売しています。それらの機械装置には非常に緻密な仕組みや工夫に満ちたアイディアが取り入れられています。
 ケーブルというと、始め電線や家電のコンセントに繋ぐケーブル等を想像しますが、実に様々な種類があるんですね!もちろん、自動車や電線の他に多くの家電などで見られるチューブのようなケーブルも、中には何本もの細い線が集まってできているのは、なんとなく知っていますが、近年は携帯電話やパソコンなどの精密機械や通信機器の小型化や、医療用機器の開発も進み、非常に薄いフラットケーブルや、極細のケーブルも多く使われるようになっています。このような精密なものも多く手がけられているそうです。
 そういった非常に細いケーブルを撚る(よる)為の装置「撚線機」を開発されており、社長の奥山さんのご案内で見学させていただきました。人間の髪の毛は80~90μm(ミクロン)くらいですが、肉眼で見えるか見えないかの細さ、10μm程度のケーブルを作っています。そしてこの撚線機は「磁気軸受式撚線機」(右写真)といい、中のチューブが磁気により浮上、非接触の状態で回転して線を撚ります。磨耗や振動がなく非常に静かに作動します。磨耗が無いため半永久的な寿命だそうです。こちらは特許を取得されているそうですよ!動いているところを外から触りましたが、全く振動が伝わってきませんでした。こんなに大きな機械がこんなに静かに動くのはびっくりです。
 また、HCIさんは10年ほど前から、産業用ロボットも多く手がけており、近年は多くのロボットシステムも製作しているそうです。そして、昨年度に実施された経済産業省の「システムインテグレータ育成事業」においては、1次募集及び2次募集共に応募した提案が採択されました。1企業から2提案もの採択は稀なことで、提案内容が優れていなければこのようなことはありません。今回はこの採択案件である2種類のロボットシステムを見学させていただけることになりました。

 その提案の1つが「ボビン装脱着システム開発による協働型ロボットSI技術高度化」というものです。ケーブルのような細いひも状のものは、ボビンという部品に巻きつけて撚線機へ供給されるような仕組みになっています。(右上写真)ケーブルの種類によって大小様々なボビンがありますが、このボビンを撚線機に装脱着する作業を協働型ロボットが行うシステムを開発しました。(左動画)撚線機にケーブルを供給するために装着されているボビンが空になったら、レバーを捻ってロック解除、空のボビンを把持してストッカーへ運びます。次に満タンにケーブルの巻かれたボビンを運び、再び装置にセットしてレバーを捻って固定する一連の動作を1台の撚線機につき6~60箇所もあるため、ロボットが行うことで人間はケーブルのテンション調整などを行うことが可能になります。このシステムでは、それぞれの動作に対して用途にあった4種類のハンド(ロボットの手)を開発しています。動画の中でハンドを付け替えて動作を行うロボットが見られます。(右動画)このシステムはロボットが協働型の多関節ロボットのため、柵の無い環境で、人間の傍で働くことが可能です。
 さて、もう1つの採択提案は「多芯ケーブル端末加工ロボットシステムモデル」です。 ワイヤーハーネスという配線用の電線を束にした部品は、多くの分野で使われていますが、用いられるケーブルの多くは多芯ケーブルです。写真をみると(右写真)こんなケーブルって以外と良く見かけますよね。このワイヤーハーネスの端末の加工には、【切断→外装剥ぎ→内線皮膜剥ぎ→端子の取り付け→圧着】という一連の工程を人間が手作業で行っています。これを2台の多関節ロボットが向かいあい、役割分担しながら単線ごとに3Dビジョンで認識し、作業中に画像とAIを使って検査を行うような工程のシステムを作りあげました。(左下写真)
 丁寧で細かい作業は、間に2回の検査をはさむことにより、正確な作業になります。人間が行うより時間がかかるのですが、24時間の稼動が可能となりました。人手不足の世の中にとってこのようなシステムの開発は様々な業種にとって、非常に参考になるだろうと思います。
 今回はHCIさんの本社工場と板原工場の2箇所を見学して、レポートに書いた他にもたくさんの機械装置に、アイディアと工夫を見せていただきました。ご紹介しきれないのが残念です。

 あ、そういえばHCIさんの撚線機は、以前NHKのドラマにもセットとして出演しているそうですよ!大きくてきれいな青色でインパクトのある装置でした。その装置にも描かれているHCIさんのロゴマークは3つの翼を表していて「夢」・「誠」・「共生」という経営理念のコンセプトが込められているそうです。社会のためにいろいろな夢を実現しているんだな~って思いながら帰ってきました。ありがとうございました。
 では、久々のレポートはこのへんで!次回もあまり遅れないようにがんばります!
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