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突撃!YunBoのロボット体験記!

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レポート9

大阪市の次世代FA人材育成拠点IATCを見に来たよ!

 
 皆さんこんにちは!ユンボのレポート少し間が開いてしまってごめんなさい。
 今回は、大阪南港にありますATC(アジア太平洋トレードセンター)へやってきました。住之江公園駅またはコスモスクエア駅から南海ポートタウン線、愛称ニュートラムに乗ってトレードセンター前で降ります。この電車はATG(自動案内軌条式旅客輸送システム)と言って無人で走行している小型の電車です。電車の窓からは大阪湾が見えるんですが、天気が悪くて写真が撮れませんでした。残念。
 ATCは駅から直結していて通路に沿って歩けば自然に到着します。海沿いに建っていてフェリーのターミナルや、音楽ホールやフットサルコートもあります。広いエントランスや通路はカラフルな色で塗り分けられているのでそれだけで楽しく感じます。室内遊園地やイベントホールの他、色々なショップやオフィスが入っており、高い吹き抜けを渡る通路も楽しいデザインとなっています。モダンなデザインのイベント・ショッピングモールですが、その規模はとても大きくいくつもの棟が複合的に連なり、これまでロボットに会いにお出かけした工場とはちょっと様子が違います。ユンボは早速迷ってしまいました!ITM棟 6階のソフト産業プラザiMedioにたどり着き「大阪市都市型産業振興センター」の手嶋さんにお会いできて、ようやくほっとしました。
 さて、今回の訪問先は、このITM棟11階の「おおさかATCグリーンエコプラザ」内にある「IATC(Industrial Automation Technology Center)」です。(写真9-⑤)2016年12月にオープンしたこの施設は、ロボット導入を検討している大阪の企業を中心に、導入の支援やロボットの事を知るための勉強会などを実施しているロボットセンターです。
 訪問した日はなんとATCが休館のため、IATCもクローズでしたが中の様子を見せていただけて、色々説明を受けることができました。
 IATCでは、テクノロジーをキーワードに、次世代のFA(Factory Automation)拠点として機能していく計画があります。様々な施設が同居しているATCでは、例えば入居者の開発した製品等(ロボットも!)を実装・実験することができる広い公共スペースや各種店舗、オフィスもあり、イベントも行えます。ATC全体、ひいては大阪の産業を活性化することを念頭に取り組んでいるそうです。かつて、大阪をロボットの町にしようという計画があったそうです。当時は思うように進まなかったのですが、現在ようやくロボット人材を育てる必要性を重視し「ロボット導入促進のためのシステムインテグレータ(SIer)育成事業」として補助金がでるようになりました。この機会にIATCも新しいロボットを導入し、人材育成に力を入れて支援の幅を広げる考えです。
 IATCの強みは、ロボット等最先端技術の共同開発に実績のある「(一社)i-RooBo Network Forum」と、中小企業支援に関わり地域の情報を集約している「(公財)大阪市都市型産業振興センター」が、共同で運営していることで、人材育成や開発支援を行いながら、製造現場とSIerをつなぐネットワーク構築や情報提供が同時に出来ることです。効率的な仕組みですね!
 次は実際に「先端技術ブース」に設置されている設備を見ましょう。エンジニアの岡本さんが機械設備を案内してくださいました。
 こちらはH27年のものづくり補助金を活用して製作された「模擬生産設備」と「制御盤」です。(左上写真、左写真)動画をご覧ください。単軸ロボットが正確な動作でひとつひとつ製品を作ります。動画では缶バッジを作っています(左下写真)が、コレはお土産に頂いちゃいました!このようにロボットが正確に動作するためにロボットに教えなくてはなりません。制御盤では位置決め制御など、ロボットを操作するための技術を実際に装置に触れて学習、技術を習得できるのですね。
 この隣には「パワーモーラ」というコンベア装置があります。(右写真)生産現場には欠かせない装置ですがこの装置メーカーさんからここに置きたいと申し出があり、やはり生産現場での製品の搬送など、課題解決に役立っています。
 こちらは、先述の「システムインテグレータ育成補助金」で採択されて購入した3台の新しいロボットです。この3台の特徴は、人間が働く現場で一緒に働く「人協働」を実現するロボットなのです!
 (左写真)この川崎重工社の「双腕スカラ型duAro」は何度か紹介していますが、両腕を器用に動かし人間のように繊細な作業ができます。人と並んで生産ラインに入れたり、キャスターがあるので好きな場所へ移動させられます。写真で分かるよう最終調整中のため、まだちゃんと動かせないようですが、その横のライフロボティクス社の「CORO」を動かしてもらえました!(右動画)多くのロボットアームの特徴に肘関節を折りたたむために広いスペースが必要となりますが、このロボットは肘関節が無く伸縮動作により省スペースでの作業が可能ですから、やはり人間と協働できるロボットです。面白い動きですね~ちょっと動物に見えてきます。そして、もう1台は不二越社の世界最速・超軽量コンパクトの垂直多関節ロボットです。(左写真)
 写真では更に小さくなって、組み立てられるのを待っているようです。動きが早く、省スペースなので色々な用途に活用可能でとても汎用性が高いロボットです。
 IATCでは、この3台を新たに設置、今までの模擬生産設備と制御盤に加えて、学習や導入検討のツールとして活用していくことになりました。これまでも実施している講習「ビギナーコース」「課題解決型コース」「FA・IoTコース」「オーダーメイドコース」などに加えて「人協働ロボットコース」が新設されます。
 色々な労働現場では人手不足が課題となっていることを聞きます。それを解決するために、ロボット等の先端技術を取り入れた改善策を検討しても、現場の人がその技術を取扱えなければ役に立ちません。このように実際に触れて学べる機関があることで、ハードルが高いと思われているロボット導入が現実的になるのかもしれません。
 ユンボが訪問したときは、まだ整備中でしたが、このレポートが公開される頃には3台のロボットもきっと大活躍していることでしょう。
 手嶋さんに今後のことなどうかがいましたら、まだ開設して1年も経っていませんが、各種生産ラインへのロボット導入のご相談や問い合わせが多くあったそうです。導入支援はこれから確実に増えていくと思われ、今後まだまだロボットの種類や台数を増やしていく予定だそうで、色々なニーズに応えていきたいとの事です。
 いつかまた大阪に来られたら、元気に活躍している3台のロボットに会いに来ようと思います。本当にありがとうございました!
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