ロボット活用ナビ

ロボット導入実証事業インタビュー

『レトルト殺菌食品の箱詰め作業におけるロボットと人が調和した工程の開発』

株式会社マルヤナギ小倉屋

● レトルト食品の製品取り上げ、除水、箱詰め封函、結束作業にロボットを導入した。
● 人の役割(製品取り上げと検査)とロボットの役割(箱詰め、封函)を分けて生産性300%を達成。

ロボット導入のきっかけ
 (株)マルヤナギ小倉屋の大門工場の従業員は約170人。このうち60歳以上が約30人で、5年後には約50人達する見込み。つまり、5年後以降には50人ほどの人員が減る事を意味します。一方、採用の方は非常に厳しい状況にあり、募集をかけてもなかなか人が集まらないのが実情です。この人手不足を解消するには自動化が不可欠で、なかでも製品の変化に柔軟に対応できるロボットは強い味方になると考えました。
 大門工場の人員のうち約半数が包装工程に従事しています。今回導入したロボットは1人分の熟練作業者の製函・箱詰め・封函作業をこなします。ラインは2交代制の為、1日の仕事量は2人分となります。当社には同様の箱詰めラインが19ラインあり、今後ロボット化を水平展開していくことで38人分の人手不足を解消できます。


ロボット導入の内容
 ロボットの導入を行ったのは、レトルトパックやカップ容器を箱詰めする工程です。きゃら蕗や昆布佃煮、煮豆、さつま芋の甘煮などをつかんで箱の所定の位置に収める作業で、1分間に80個の処理能力があります。
 稼働しているのはオムロンが販売するパラレルリンクロボットで、愛称は「さとし君」。この現場のリーダーの名前にちなんで命名しました。さとし君とペアを組む作業員は、箱詰めするレトルトパックの外観検査を行いながら製品をさとし君に供給するのが役割です。1分間に60個以上さとし君に製品を供給できると当社のキャラクターであるマーメちゃんが制御画面の中で踊り出すといった、ちょっとした遊び心も取り入れました。
 職場にはロボットに仕事を取られるという危機感は無く、むしろロボットが入れば仕事が楽になるという職場の雰囲気作りが出来たことが何よりもの成果だと感じています。

ロボット導入を終えて
 ロボット導入の結果、導入時に目標としていた生産性300%については、かなり早い段階で達成しました。
 ロボット導入前に持っていた「非常に複雑な設備で故障したらどうしよう?」「製品の変化に自分たちでロボットの対応ができるだろうか?」といった不安が多くありましたが、ロボット導入の抵抗感を和らげる工夫を行い、「さとし君」を我々の仲間として迎えました。
 導入当初は、製品のつかみ損ねなど課題も多くありましたが、現場の作業者が、自らスマートフォンのスロー動画解析を繰り返し、ロボットハンドの改良を行いました。最終的に製品のつかみ損ねは1日当たり0~3個と大幅な改善が実現し、大きな自信につながりました。それ以外にも自動化設備に合った段ボールケースの交差を設定し、業者へ粘り強く交渉したことなども現場力が強化されたと考えています。
 加えて生産性を上げ、社員の年収を高めるという会社方針も打ち出され、益々「部下はロボット」「ロボットが入れば楽になる」という現場の期待感は良い意味で高くなっています。
 ロボットを使える人材教育を進め、人とロボットが協調することでローコストかつ、より高い付加価値生産性を生み出すものづくりを実現したいと思います。

導入前 導入前 3名1組で製品投入、検査、箱詰め、結束を行っていた
   
導入後 導入後1 外観検査を行い「さとし君」へ製品を供給する
  導入後2 製函、箱詰め、封函、重量検査を自動で行う

株式会社マルヤナギ小倉屋 http://www.maruyanagi.co.jp/

 ロボット導入前は、不安が先行していましたが、自分たちでロボットを育てようと考えなおし、現場のリーダーにちなんだ愛称を付けたことで精密機械への過剰な期待が薄れ多少のトラブルでも寛容に受け入れる体質を作ることが出来ました。 企業詳細情報
【主な事業内容】
・佃煮、煮豆、惣菜等の卸売および製造販売
住所:〒658-0044
神戸市御影塚町4-9-21
TEL:078-841-1456
FAX:078-841-1447
設立:1951年12月
資本金:99,500,000円
従業員:430人(パート・アルバイト含む)
 導入当初はチョコ悌回数も多かったのですが「さとし君」も徐々に成長し安定して働いてくれています。特に年末の繁忙期には、文句も言わず朝から晩まで稼働してくれたおかげで、過去最高の生産性を工場全体で達成できました。まだ、導入事例は少ないですが今後5年で納入を進め従業員の満足を向上させたいと思います。
土屋合成 土屋代表
技術開発部 横野真章

常盤電機株式会社 http://www.tokiwa-eletric.co.jp/

【基本情報】
住所:〒670-0057
兵庫県姫路市北今宿2-4-1
TEL:079-298-1122
FAX:079-296-0241
【得意分野】
・ロボットシステム製作
・画像処理システム作製
【紹介】
 2015年よりメーカーにこだわらないロボットシステム開発業務を開始し、現在まで数多く3品産業に特化したロボットシステムを製作しロボットテクニカルセンターC-Lab.も運営しており、ロボットの可能性を素早く試験できる体制も構築している。

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